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ケープタウンで事件発生!今も残る見えないアパルトヘイト

August 18, 2015

ケープタウンで事件発生!今も残る見えないアパルトヘイト

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海外旅行事件簿 キャットアンドムースという日本人が多く泊まる宿にいた日本人女性と一緒にアフリカ大陸最南端の喜望峰に向かおうということになる。この南アフリカ、ヨハネスブルグでアパルトヘイト(人種隔離政策)の後遺症を見てきたが、まさかケープタウンでもその傷跡を見ることになるとは思ってもいなかった。
ケープタウンの日本人宿キャットアンドムース
↑黄色い建物がCAT&MOOSE。日本人旅行者がアフリカ最南端を目指してやってくる有名な宿だ。泊まったことがある人も多いのでは?

ケープタウンからはレンタカーを借りて喜望峰を目指すというのがこのあたりを旅行する旅人には定番になっていた。宿の横に旅行代理店があるというので、僕らは朝からその旅行代理店に行き、レンタカーの手配を頼もうと思った。

カウンターには黒人の従業員がいた。ケープタウンに旅行に来るのは圧倒的に欧米や南アフリカ周辺からの白人が多く、アジア人がカウンターに行っても当然のように後回しだ。相手にしてもらえない。全て白人から優先的に話を聞き、受付をしていく。何なんだ、この威圧感は……。

僕らはこの時点で違和感を感じていた。旅行代理店内にはパンフレット等が置かれていて、欧米人の旅行者が全ての質問を終えるまで30分近く待たされることになった。

ようやく欧米人旅行者が代理店を出ていき、僕らアジア人の番になる。

「喜望峰に行くのでレンタカーを借りたいのですが……」
「あぁ、わかったよ。今電話して手配する」

意外に早いじゃねぇか。すぐにその黒人従業員は電話をしてレンタカーの手配をしているようだった。

横のキャットアンドムースに滞在していることを告げ、20分後ぐらいにまたきてくれとのことだったのでしばらく近くのマクドナルドに行ったりして時間をつぶしていた。

時間になり、僕らは旅行代理店に行った。

「車は外にあるよ」

外に出てみるとかなりポンコツのマニュアル車だった。

そもそも免許があるのは僕だけだった。しかも、オートマ限定と免許に書いてあるとおりだ。その免許はすでに黒人従業員に渡してあったのだが、黒人は問答無用でマニュアル車を手配してしまったようだ。

「ミスター。この車じゃ運転できないよ」
「なんで先に言わないんだ!」
キャットアンドムース横の旅行代理店
↑宿の横にある旅行代理店。事件はここで起きた。

黒人従業員は怒り出した。先に念を押しておかなかったのは確かだが、先進国人からすれば、南アフリカだって先進国なんだしAT車だろうと予想していたわけで、先に言うまでもないと思っていたのだ。

このまま黒人従業員はボスと思しき白人のオヤジと何やら怒った口調で話している。

僕らは店内で、この状況でどうするべきか話し合っていた。ケープタウンの空港にはたくさんのレンタカー屋があったし、そこまでバスで行って車を手配してもいいんじゃないかという話をしていた。

結局、僕らは空港までわざわざ行って車を手配することにした。マクドナルドのシェークを持ったまま僕らは店を出るところだった。店を出る瞬間、暴言が聞こえてきた。


「F○CKED OUT!」


店を出る瞬間、白人の店主が僕らに言った言葉だ。

言われた瞬間、これは完全に差別だと感じてしまった。僕は持っていたシェイクを路上にぶん投げた!確かに念を押して確認はしなかったが、なぜ、こちらが客の立場なのにそこまで言われなければならないんだ!白人の客だったとしたら間違いなく腰を低くして謝っていただろう!

投げた瞬間、白人のオヤジが襲いかかってきた!けっこうな年齢のおやじだ。40〜50ぐらいの小太りの白人のオヤジはマジで殴りかかってきた。僕らはすぐに真横にあるキャットアンドムースに向かっていたのだが、その入口付近でオヤジに追いつかれ、オヤジは宿の中に入ってきて殴ってきた。

「キャ〜〜〜〜!!」

日本人女性の悲鳴が飛ぶ中、僕は殴ってくるオヤジと組み合って倒れたままこれ以上の暴行を防ごうとしていた。キャットアンドムースの受付の白人男性が仲介に入ってきてなんとかその場は事なきを得た。白人に止められれば気が収まるかのようだった。白人のオヤジはそのまま店に戻っていった。

すぐに、誰かが通報したのか、警察が駆けつけた。

ちなみに警官は黒人男性だ。
何があったのか話し、殴られた件を伝えたが、まずは白人男性の言うことをいかにも正しいことのように警察は聞いている。

「まず、お前がシェイクを片付けろ!」

警官は殴られてアザができている僕にまずは掃除しろと命令してきた。ちょっと待て!完全に白人のオヤジは殴っているんだぞ!俺がもし白人のオヤジを殴っていたとしたら、間違いなく、即、手錠をかけられて逮捕だっただろう。白人のオヤジが殴ったことは証拠がないという形で棚に上げて、俺がまず怪我してるのに掃除しろというのもおかしな判定だろう。間違いなく、もしこちらが殴っていたとしたら、現場を見ていなくても即逮捕だったと思う。それほど、警官の判定すらも南アフリカでは、白人、黒人、アジア人の順に有利にできていると言ってもいいのだ。

警官は真っ黒な警棒を持っている。もの凄い威圧感だ。抵抗したら警棒で殴られてシバかれるのは目に見えている。すぐに僕は言われたとおり掃除をしたが、黒人の警官はただこう言った。

「殴られた件はこのレポート用紙に記入して警察署に持って来い」
南アフリカのポリスレポート
↑警察に渡されたポリスレポート一部。どこをどう殴られたのかを用紙に記入して提出すればそういう事件があったというレポートを出してやるということだった。南アフリカの警察は殴られたからといって黒人警官が白人を逮捕することは滅多なことではなさそうだ(ピストルで撃たれたとか血を出して死んだとかならまた別だろうが…)。ただ、この紙を渡されるだけだ。まだまだ先進国だが南アフリカは危険だ。身を持って経験して言う!

ただそれだけだった。警官はこれだけ言い残し、白人の店主の話だけをいかにも正しいかのような雰囲気で店の中で聞いて、パトカーで帰っていった。

南アフリカはアフリカの中で一番快適ではあり、観光資源は豊富だ。日本人にもたくさんケープタウンを楽しんでほしいと思うので宿設立を考えている地域ではあるが、やはり、こういったアジア人の立場の弱さを考えるとビジネス上でもかなりの苦戦を強いられるのは目に見えている。ケープタウンのレストランでもやはり、白人の店にアジア人の集団で行くと席がないと言われて相手にしてもらえない。これはマジだ。南アフリカにいる白人がアパルトヘイトを作ってつい最近まで国の法律として扱っていたのは事実だ。俺はこの点、今も白人がやりたい放題やっている南アフリカに納得がいかない。この点だけが南アフリカの欠点だと言っていいだろう。

こんな事件があったのだが、僕らは少し休んで落ち着いたところで、空港へとレンタカーを借りに行った。もう、こんな思いはしたくない!とっとと喜望峰に到達してアフリカ縦断達成の喜びに浸りたい! この事件、読んだ上で色々と皆さん、思うことはあるだろう。ただ、僕はこういった事実があったということを伝えたい。まだまだ南アフリカには目に見えないアパルトヘイトが残っているということを。

次回、こんな事件のことは忘れて喜望峰に向かっていきます。お楽しみに!  旅が仕事 世界一周BLOG

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−南アフリカ安全・差別情報−

・警察は腐敗はしていないが、明らかに白人を有利に判定する。白人と揉めてもこの国では絶対に負ける威圧感があります。

・警察も本当の意味で助けてはくれません。この国ではアジア人は一番身分が低いため、とにかく危ない目に遭う場所に行かないことに尽きる。

・ケープタウンのレストラン、中国人経営の中華屋や寿司屋、黒人経営レストランなどは問題がないが、欧米人向けのレストランなどはアジア人だけで行くと、「席がない」という理由で断られます。実際に宿にいたメンバーで珍しい肉が食べられるレストランに行ったら断られた。結局黒人経営のエチオピアレストランでインジェラを食べることに…。

・南アフリカの白人とあまり仲良くなった試しがない。この国にいる白人は明らかに黒人と距離を置いており、アジア人もあまり歓迎されない雰囲気がある。ショックを受けないようご注意を!

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